@article{oai:yamagata.repo.nii.ac.jp:00000207, author = {榎戸, 正則 and 伊関, 憲 and 福家, 千昭 and 佐多, 晶子 and 高橋, 徹也}, issue = {2}, journal = {山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal}, month = {Aug}, note = {論文(Article), クレゾールは50%石鹸液として用いられる消毒薬であり、服毒すると細胞毒性と溶液 による腐食性で全身臓器を障害する。中毒の治療法は、クレゾールが主に腎排泄される ため、強制利尿が推奨されている。一方で大量輸液により肺水腫となりやすい。今回、 クレゾールを誤飲したアルツハイマー型認知症の高齢者に輸液負荷に加えて低容量のド パミン投与により軽快した症例を経験したので報告する。【症例】72才の女性が、施設の部屋の前でふらついているのを発見された。クレゾール臭 があり、救急隊に要請された。クレゾール石鹸液500ml瓶中(42-52%含有)、3分の1 程度が減っており、150ml程度を誤飲したものと推測された。救急隊到着時、意識レベ ルはJCS300であったが、来院後次第に回復していった。来院時血圧は97/62mmHgであっ た。入院後、クレゾールの尿排泄の促進と昇圧のために、100-150ml/時の輸液と塩酸ド パミンの持続投与を開始した。ドパミンは1μg/kg/minの投与で、血圧は安定し尿量も 150ml/時程度えられた。第2病日には全身状態も安定したため、ドパミンを中止とした。 経過良好であり、第4病日に退院となった。第14病日に施行した上部消化管内視鏡検査 では、クレゾールの影響による病変は認められなかった。【考察】クレゾール中毒の症状は、悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状や化学性熱傷を認 める。さらに重症例では中枢神経抑制や血圧低下、DIC、肺水腫を呈し死亡することが ある。クレゾール中毒に対する初期治療としては胃洗浄、強制利尿、直接血液潅流が挙 げられている。なかでもクレゾールは24時間以内に90%が尿中に排泄されるため強制利 尿が行われることが多いが、肺水腫を引き起こす症例もある。今回の症例では、高齢で あることから低容量のドパミンを持続静注しながら輸液負荷したところ、良好な尿流出 が得られた。}, pages = {63--69}, title = {低容量のドパミン投与により治療したクレゾール中毒の一例}, volume = {29}, year = {2011} }