@techreport{oai:yamagata.repo.nii.ac.jp:00003060, author = {山野井, 徹}, month = {Jan}, note = {テクニカルレポート, 山形県総合学術調査会編『御所山 : 総合学術調査報告』(1989) p.1-14所収, はじめに 「地すべり」というと災害的な側面が強く,自然現象としての扱われ方は少ない。災害となる地すべりは防止しなければならないが,それが対症的にならないためには広い自然科学的視点が必要になる。それには,地すべりは侵食システムの表現の1つであるといった理解が基本となるのであろう。山形県内で防災の対象とされている地すべり地(地すべり防止区域及び地すべり危険箇所)は奥羽山系には少なく、出羽山地などに多い(山形県,1988)。しかし奥羽山系には地すべり地が無いわけではなく,後述するように,過去における地すべり地は数多く認められる。この地域の地すべりがなぜ発生し,そして今はどうして動かないかを理解することは上記の広い自然科学的な視点から一層地すべり現象の本質にせまることになろう。本報告では地すべり現象を侵食作用の一環としてとらえるために,侵食区という単位の使用を試みた。具体的には船形山の西側の乱川区を侵食区として設定し,その中の地すべり地形を空中写真で解析することから始めた。さらにその後,現地調査を行い,個々の地すべり地の観察を行った。そしてこれらを合わせて上記の観点で地すべり現象を考えてみた。その結果,本区域の地すべりは局部的な地質(岩質,地質構造)との関連はうすく,より大きな構造運動に起因するものであることが判明した。またこの区域では,乱川リッジを外縁とし,その前面に地すべり地,そしてその下流に各支流があって,さらにその前面に乱川扇状地が展開するといった一連の侵食に串ってできた地形の規則的な配列があることを重視した。その結果,こうした一連の侵食地形は相互に関連し,70-50万年前に始った村山変動の歴史的産物であることを見出すことができた。本区域の地すべりは,すでにその活動を停止しているものであるが,他地域の活動的な地すべり地を含む区域においても地すべり地を侵食作用の歴史的な産物といった観点でとらえるならば,より一層効果的な防止対策につながるはずである。また,ここでとり上げた区域内での地すべり地は,大規模な開発には適さない場所であることも最後に指摘しておいた。}, title = {奥羽山系船形山西方の斜面形成と地すべり}, year = {1989} }