@article{oai:yamagata.repo.nii.ac.jp:00004217, author = {井筒, 美和 and 工藤, 雅哉 and 川前, 金幸}, issue = {2}, journal = {山形大学紀要. 医学 : 山形医学, Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal}, month = {Aug}, note = {論文(Article), 【背景】脳虚血障害においてNa+, K+-ATPase 活性は低下することが知られているNa+/Ca2+交換系も障害されるため、細胞内Ca2+濃度の上昇から神経細胞死が誘発されると考えられている。一方で、Na+,K+-ATPase 阻害薬であるPBI-05204 (PBI) やその主要成分が高い脳血管関門通過性をもち、脳由来神経栄養因子(BDNF)を上昇させ、脳神経細胞保護効果を示すことが報告された。PBIは抗腫瘍薬として既に臨床応用の可能性が示唆されている薬物である。今回、我々はPBI による脳虚血障害後の神経保護作用を成熟ラット中大脳動脈虚血再還流(MCAO) モデルを用いて詳細に検討した。 【方法】MCAOモデルは雄性成熟Wisterラットを用いて、右外頸動脈よりフィラメントを挿入し、右中大脳動脈を閉塞させることにより作成した。フィラメントは70分留置した後に抜去し、血流を再開させた。PBIは腹腔内投与にて治療効果の検討を開始したが、連続投与で腹腔内癒着が認められたため、経口投与に変更して実験を行った。 PBI(0, 40, 100, 200 mg/kg/day) は再灌流90分後に初回の投与を行い、その後6日間連続投与した。 虚血7日後に神経学的、 組織学的評価を行った。また正常ラットにおけるPBI投与後の非観血的動脈圧測定と、脳中BDNFの測定を行った。 【結果】100 および200 mg/kg/day 群において、対照群と比較して24時間後に神経学的所見の改善を認めた(P = 0.0005, 0.004)が、7 日後では神経学的、 組織学的所見の改善に有意差はなかった。正常ラットにおいて、高用量PBI群でコントロール群、低用量群と比較して血圧低下を認めたが、血圧は正常域であった。また有意ではないが、PBIの用量依存性に脳中BDNFの上昇を認めた。 【結論】本研究において PBIの経口投与では脳虚血障害に対して長期的な神経保護作用を得るのが困難であることを明らかにした。その原因としてPBIの 含有成分が投与経路や吸収を制限していることが考えられる。しかし、PBI の主要成分を用いて投与時期/経路を検討することにより効果が得られる可能性は高いと考えられ、本研究によって今後検討すべき方向を示すことができた。}, pages = {78--89}, title = {Na+, K+-ATPase阻害薬PBI-05204による脳虚血傷害後の治療効果の検討}, volume = {35}, year = {2017} }