@article{oai:yamagata.repo.nii.ac.jp:00004249, author = {矢野, 充泰 and 平井, 一郎 and 蜂谷, 修 and 渡邊, 利広 and 手塚, 康二 and 菅原, 秀一郎 and 木村, 理}, issue = {1}, journal = {山形大学紀要. 医学 : 山形医学, Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal}, month = {Feb}, note = {論文(Article), 【背景】消化器領域では腸閉塞症(イレウス)や腸間膜気腫症に対するHBOの報告はあるが、その他の疾患、特に腹腔内膿瘍などの感染性疾患に対しHBOを用いた報告はほとんどない。今回、消化器領域疾患に対して施行したHBOについて検討したので報告する。 【対象と方法】2絶対気圧に加圧して100%酸素で60分投与を連続する複数日行った際に1クールと数えた。当科で施行した消化器疾患関連の90例に対し94クールのHBO治療を行った。対象臓器は食道、胃、十二指腸、小腸、肝胆膵、大腸、直腸、痔瘻、腹壁膿瘍などであった。  感染性疾患では発熱からHBO開始までの日数、HBO開始後38℃未満に解熱した日数、HBO前後での白血球数、CRP値の変化を検討した。  すべての症例でHBO前後での栄養評価として小野寺prognostic nutritional index(PNI)を計算し統計学的に検討した。 【結果】1症例につき平均10.9±5.3日間(2~28日間)HBOを行っていた。94クールのHBOで77クールが有効であり、17例が無効で手術的ドレナージなどの他の治療が必要であった。よってHBOは81.9%の症例で有効であった。  食道癌術後の縦郭炎症例、麻痺性イレウス、腸間膜気腫症、虫垂炎後の遺残膿瘍や肝膿瘍、肝切除後の離断面感染に特にHBOは有用であった。一方、腸管と交通のある症例や癒着性イレウスにはあまり有効でなかった。  感染性疾患に対するHBOでは発熱からHBOまでの開始日数は平均5.2±6.5日であった。HBO開始直前に38℃以上の発熱のあった42例では、HBO開始後38℃未満に解熱するまでの日数は平均3.1±3.9日であった。  感染性疾患に対するHBO88クールではHBO直前のWBCは平均11,843/μlからHBO終了時の平均7,188/μlと有意に減少した(p<0.001)。またCRP値も平均10.7mg/dlからHBO終了時のCRPは平均2.2mg/dlと有意に減少した(p<0.001)。  94回すべてのHBOで小野寺栄養評価指数(PNI)はHBO前の平均35.4からHBO後に39.4へ有意に改善した(p<0.001)。 【結論】 1.HBOは他の治療手段の補助的な治療法である。特に虫垂炎術後遺残膿瘍などの消化管との交通の ない腹腔内膿瘍、液状化していない肝膿瘍、ドレナージ困難な後腹膜膿瘍は非常に良い適応と考えられる。一方、消化管内腔と交通のある症例は効果が期待できず、早期の外科的介入が必要と考えられた。 2.平均11日間のHBOで82%の症例に有効であった。感染性疾患では94%が有効で、38℃以上の発熱例では平均3.1日で解熱した。 3.HBOは嫌気性菌のみならず、好気性菌にも有効である。 4.抗生剤、ドレナージなどで改善が得られない場合にはHBOの併用も考慮すべきである。 5.HBOは小野寺PNIを有意に改善し、栄養状態を向上させることが初めて示された。}, pages = {48--56}, title = {消化器疾患および腹腔内膿瘍に対する高気圧酸素療法(HBO)の有用性 : 特に感染性疾患に対する効果と栄養改善効果について}, volume = {36}, year = {2018} }